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ライヘンバッハショックの対症療法

数日前、S2E3(『ライヘンバッハ・ヒーロー』)を見てこころのバランスを崩しかけ、つくづく映像耐性がないんだなぁと実感しました。

 終わったあと「こんなにすばらしい映像をいままで見たことがない」と本気で思うくらいには、強い作品でした。

特に”書き置き”の電話の場面、ふたりとも名演すぎて、どんな言葉を使っても言い尽くせない美しさでした。その日の夜はお風呂で泣きました。

今はいくぶん落ち着いたので、距離をとれるし、あるていど言語化することもできるけれど、ひたすら放心状態でした。

泣きながら思ったことのうち、ひとつは、月並みな感想ですが、この作品に出会えてほんとうによかった、ということです。この作品を見るためにこそ生まれてきたんだ、人生の意味がわかった、、と変なスイッチが入りかけました(そのときはいたって大真面目でした)。

間違えてきたことばかりだ、というのは、ずっと消えなかった後悔だけど、この作品に出会えたなら、すべての間違いは正解だった、と思えるくらいの。少なくとも私にとっては。

もうひとつは、自分に対しての申し訳ない気持ちでした。あのとき諦めてごめん、叶えてあげられなくてごめん、と。

(というのは、やっぱり物語が好きだから、それにかかわる何かをしたかった、という後悔でした。

(広義の)作品が好きだと自分では思っていて、それを生み出す側に行きたくて、でも何もできないなと諦めて、諦めきれずに作品にかかわって生きていくことのできる場所に身をおこうとしたけれど、そういう活動もやってみたけれど、違和感がずっと追いかけてきて離れませんでした。

そういう人生にしよう、と決めて、それで進路も選んでいたから、気づかないふりをしていたけれど、認めてしまえばあっさりと腑に落ちるのは、「作品がなくてもぜんぜん生きていける」ということでした。作品にかかわる人になるために、自分なりにその周辺でわずかな経験を積んだり、内情を知ろうとしたりしてみたけれど、それをやっているうちに、たぶん素質や性格、そしてなによりも愛がなければやっていけなくて、あってもやっていける人は一握りで、そして「なる」ことばかりをめざしていた自分の中には、もう愛はないのだろうなあ、とあるとき悟りました。それでも、じゃあどうすればいいのか、というのは、皆目見当がつかず、「あなたはこちら側には来られない」とひたすら、何十人もの「生み出す側」の人たちから、言われるのを待っていました。結果がわかっていても、試してみないことには、他の選択肢に目を向けることができませんでした。結果をよくしようと、努力してみたこともあるけれど、「あちら側」に行きたい、と思うのは、自分の夢でしかなくて、それが仮に実現できたとしても、世界にとっての最適解ではないよなあ、という思いがずっとありました。

諦める前も後も、もっと愛を保っていることができたらな、と後悔することがあり、その後悔はS2E3を見た夜に最高潮に達したようで、悲しくなったけれど、何かある特定の「この作品」が好き、というのと、「(広義の)作品が好き」、というのは、違うんだろうなあと、それをずっとごっちゃにしてしまっていたんだろうなと、今では思います。私はずっと前者で生きてきて、不連続に乗り換え乗り換え生きてきて、そのときたまたま、すごい、と思ったものを糧にして、これからも生きていくんだろうな、と。もう小説や漫画や映画や、その他もろもろを本気で好きになることはできないだろうと思っていたけれど、S2E3に出会って、そんなわけなかったと思ったし、あらゆるもやもやも全部のみこんで浄化する圧倒的な力があの電話のシーンにはあると思うし、私はそれだけで、満足です。神話の時代でもシェイクスピアの時代でもウルトラマンの時代でもなく、今この時代を生きていて、自分にとっての「この作品」に出会えたというのはほんとうに奇跡だなと思います。感想を言語化して外に出さないと次の話が見れなくて、Twitterを数年ぶりに使いながら、創作もしたい欲があり、絵は描いてみて絶望したけれど、こんなにはまることって今まであんまりなかったなあと。「時間がある」というのが要因としていちばん大きい気がします。こんなに好きになっていいのか、と思うこともあったけれど、次にまたいつか「この作品こそ」というものに出会えるときのために、後ろめたい気持ちは脇に置いておこうと思います。)

 

これからS3を見ないといけないので、Twitter(そのほとんどを電話のシーンに割いた)に書き落としたところを限りなく粗くメモ

 

・最初のほうにちらっと自殺した男の人の事件出てきてるけどこれは伏線??

ニュースチャンネルが入れ替わりながら中継していく演出すごい

・群れる報道陣をかきわけて進みながらちゃんと矢面に立ってあげてるジョンの優しさ

・シャーロック、指し示したほうと逆側(いつも自分が座っている位置)にモリアーティが座るから「その椅子は僕のだ」って言いたげ→これも「君は僕だ」の伏線? 

・「あなたも悲しそう 彼が見てないときは」 S1で殺されそうになっても「大丈夫だ」としか言わないからこの人死ぬ時も一人で死にそうだ…って気が気じゃなかったんだけど予感が当たってしまった

・S2の4つめのキーワードに”マスコミ”を入れたい E1では英国王室のスキャンダル、E2では政府陰謀説、E3ではマスコミの寵児(の転落)

・監視カメラを探してぴょこぴょこする身軽なベネさんに引っ越しを手伝ってほしい

・お墓の前の泣きマーティンが名演です まだ見てないけど再会おめでとう!!!

・関係ないけど)他の方の感想が見たいな~と思ってベネレットで検索かけると自分の記事が2ページ目に表示されてますますGoogleこわい

・関係ないけど2)更新するとしてもたぶん感想記事だけになるかもしれないです こんな具合で

・関係ないけど3)2月中に絵を描く 決意